北広島市 Y様邸 寒中コンクリートの施工(専門的です。ご興味のある方へ)

北広島市Y様では、コンクリートの施工が行われました。松浦建設の基礎は、「布基礎(ぬのぎそ)」仕様です。なので、構造体となるのは、ベースコンクリートと立ち上がりコンクリートとなります。

今回のブログでは、冬季施工のコンクリートについてお話しします。寒冷地である北海道の「建築施工管理技士」として、いつか、みなさまに、「寒中(かんちゅう)コンクリート」のお話をできる日が来るのを楽しみに待っていました!(笑、わくわく)

コンクリートの成分は、水・セメント・粗骨材(そこつざい:砕石など)です。これらを撹拌(かくはん:混ぜる事)させて、化学反応(水和反応)によって、固まります。よく、「アツアツのコンクリートが時間がたって、冷えて固まる」とか「水分が蒸発して固まる」と勘違いされがちですが、実際は化学反応で固まります。 

適正強度のコンクリートにするためには、温度管理が重要です。寒いとコンクリートも凍ってしまい、強度はまるで出ません。冬季の施工では、平均気温+5度以上にするため採暖を行います。そして、初期強度がきちんと出れば、その後は、氷点下になってもコンクリートは日に日に強度が出てきて、最終的には、28日後に設計強度が出ます。なので、きちんと採暖を行って、初期強度5N/mm2以上をしっかり出すことが重要です。

一回勝負のコンクリートですから、施工者たちにも緊張がはしります。機械ではなく、人が施工するので、色々な事が起こる可能性があるので、実際に打つコンクリートは、更に安全を見ます。それは、あらかじめ配合を変えて、強度がでるようなコンクリートにしています。Y様邸では、設計強度21N/mm2の所を、温度補正+3、品質補正+3で、合計+6N/mm2で、27N/mm2の高強度のコンクリートで打設しました(ちょっと古いよっていう方、プロですね)。なので、基礎終了後は、夏に施工するよりも強度の高いコンクリートができると思います。実際、そのようなことも多々あります。

Y様邸の立ち上がりコンクリート打設時は、ちょうど暖かい日になったのですが、採暖は冬季という事もあり、きちんと行っています。強度がある高品質なコンクリートに仕上がることが期待できます。

打設後の初期強度は、ベースコンクリートで14.2N/mm2、立ち上がりコンクリートも同じく(偶然)14.2N/mm2でした! 安心して、打設後28日の強度確認をむかえられそうです。

ちなみに、「コンクリートの強度」とは、どんな強度かというと、圧縮強度です。引っ張り強度は、中に入っている鉄筋の方で見ます。圧縮強度確認は、供試体(きょうしたい:テストピース)に圧力をかけて破壊します。破壊というと「バキバキ、ドカーン」って感じがしますが、徐々に力を加えて、「ピシッ」とひび割れをおこす力を測定します。28日後に設計強度がでているかをしっかり確認します。

今回のブログは、とてもマニアックで専門的な内容となっていしまいました。ご覧になられて「ちょっと、何言っている、分からない(サンド〇ッチマン)」と思う方も多いと思いますが、コンクリートの施工は、とても重要な事なので、2月で極寒な季節にもかかわらず、とっても熱いお話になってしまいました・・・。

次回は、もっと、みなさまにわかりやすいお話にしたいと思います!

 

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